皆さんの声を人権侵害に苦しむタイの人々を救うために届けませんか?

タイ特別捜査局(DSI-Department of Special Investigation, Thailand)長官の早急なる退任と局の改変を求める緊急署名―――タイにおける人権の改善のために

こんにちは。タイにおける人権侵害を改善するためのタイ特別捜査局の改変を求める署名活動のページによっていただき、大変にありがとうございます。

現在タイでは、一般市民に対する大規模な人権侵害が、政府機関の役人、警察、ならびに検察当局から加えられています。日本では信じがたいことですが、警察がきちんとした捜査を行わないまま、政府や警察にとって不利な状況を作り出す危険性のある人物、特に人権救済のために政府や国際機関、そしてNGOなどにロビーイングをしている人々などが不当に逮捕、拘留、そして起訴されています。

特にタイ南部の3県(ヤラ、パッタニー、ナラティワート)では、2004年1月より軍や警察に対する爆弾放火事件が続けて発生しており、それに伴う当局からの無実の人々への弾圧も日々厳しさを増しています。

以下の署名に関する声明文にあるように、人権派弁護士である ソムチャイ ニーラパイジット氏の失踪(2004年3月12日)、環境活動家でありコミュニティーリーダーでもある チャロエン ワットアクソーン氏の殺害、そして保護活動家であり僧でもある プラ スポジ スワジョ氏の残忍な殺傷による殺害、これらすべての事件に対して速やかに公平な捜査をする役目を負っているはずのタイ特別捜査局はいずれの事件においても明らかなる捜査を行うこともなく、今日に至るまでひとつの人権侵害事件も解決していないのです。

このタイ特別捜査局は、法務省の管轄の下に作られた警察とは独立した捜査を行うことのできる新しく設置された捜査機関です。タイにおいては唯一、事件の捜査を行う機関としては、警察の指示の届かない位置にあります。この点、日本における検察庁の役目を負うものととられがちですが、検察庁に値するものはまた別にあり、この特別捜査局は法務省の管轄下にありながらも完全に独立した捜査機関です。タイでは特別捜査局が設置される以前は警察が刑事事件に関する捜査権をほぼどくせんしていました。そのため、警察や政府役人による犯罪は捜査されることはないに等しく、また通常の警察による捜査自体も客観性を欠くことが多くありました。特別捜査局はそのような事態に対処するために設置を見た機関なのです。

しかしながら現状は、完全なる警察当局との内通であり、特別捜査局の重要なポストにある人々は、もと警察官であるかもしくは警察とかなり強い結びつきをもっており、仮に事件の容疑者として警察官や政府の役人の名が上がっても、それを捜査すべき特別捜査局は捜査をするどころか、隠蔽工作によって刑事事件から彼らの責任を逃す方向に手助けをしている状況です。

以上のことから、正常に機能していない、正しくは法の番人であるはずの機関に対するタイの人々が抱える日々の不安が少しは垣間見ることができたでしょうか?

一日でも早く、そして一人でも多くの人の命が、不当な弾劾によって危険にさらされるのを防ぐためにも、これを読む私たちにもできることがあります。

それは、一人でも多くの人々の声を署名としてタイの司法省(日本の法務省にあたる)に届けることです。

タイの特別捜査局(DSI)の長官の退任と局自体の早急な変革が、タイにおける大規模な人権侵害を食い止めるために必要です。

新たに誕生した国連人権理事会のメンバーに選出された日本の皆様の、国際社会、なかんずく近隣アジア諸国で起こっている不当な事態への解決に対する期待は日々大きくなっています。またそれはこれからも大いに求められていくことでしょう。

どうか一人でも多くの日本に住む人がこの署名運動に関心をお持ちになり、書名をしてくださることを心より願っています。

なお、この署名活動はタイに在住する活動家によってイニシアチブが取られましたが、アジアン ヒューマンライツ コミッション (AHRC)は香港に本拠地を置くアジア地域の人権問題の救済のために活動するNGOとしてこの運動のウェブサイトを提供しています。

以下、タイ司法省に当てた署名決議文をご参照の上、ご署名いただける方は決議文下方にはってあるリンクをクリックして署名のページへどうぞ。

また、英語もしくはタイ語のページもご参照ください。

http://thailand.ahrchk.net/dsi_petition/

「タイにおける人権救済のためにタイ特別捜査局の改善を求める署名」

タイ国法務大臣殿

件名: タイにおける人権救済のためにタイ特別捜査局(DSI)の改善を求める署名

特別捜査法(2004年)により司法省の管轄の下に設置された特別捜査局は、その目的を「経済、社会、国家の安全保障、ならびに国際関係に非常に影響を及ぼす犯罪を 防御、鎮圧、抑制し、専門的知識、透明性ならびに信用によって正義を体現する異分野にまたがる機関」とし、国民の間に司法の正義に対する非常に大きな期待を生み出しています。

これまでのところー在職の政治家たちの利益のための意欲的な正義の追求をのぞいてー特別捜査局法第21条に書かれている「複雑かつ社会の安定と影響を持つものに洗脳された公衆の道徳を脅かす大変危険かつまれな事件」としていくつかの件がみなされるにいたりましたが、以下に述べられた件を含めてすべてが無に帰していることに気がつかざるを得ません。

1.人権弁護士 ソムチャイ ニーラパイジット氏の2004年3月12日からの失踪事件

タイ王室警察委員会による起訴により、警察官一名が懲役実刑3年を言い渡されその後控訴申請中に保釈により釈放された。一方でその他4名の共犯者たちは全員無罪放免された。特別捜査局(DSI)はこの事件を特別なケースとして2005年7月から捉えていたが、主犯者およびその他の共犯者を探し出すための更なる努力は何も行われなかった。以上の事件は現在に至るまで、大きな関心を寄せられた事件でもあり、またタイ南部で起こっている暴力事件の数々に対する解決の糸口としても関心をもたれているにもかかわらず、DSIは失踪した弁護士の居所を突き止めることもできないままにある。

2.環境運動家、コミュニティーリーダー、 チャロエン ワットアクソーン氏の2004年6月21日における殺害

殺人者2名および共犯者3名が逮捕されたがDSIは事件を単なる個人的な抗争の一環であったと結論を急いだ。ボーノック村の住民たちは存在する証拠と起訴事実が果たして被告人を有罪にできるものであるか疑いを持っている。さらには、うんざりするほどの物質的な証拠や証言が多くあり殺害の実際の原因―石炭による火力発電所の建設への反対と、コミュニティー共有の土地を守るためのキャンペーンを行ったことーを示しており、DSIも一度それをみとめているにもかかわらず、事件の首謀者を発見するための更なる捜索は行われなかった。

3.保護活動家、僧侶、プラー スポジ スワジョ氏(ファン、チェンマイ)の殺害 2005年6月15日

上記期日、プラー氏は残忍な方法により殺傷された。一年間にわたってDSIは捜査に対し何の主導権もとらず、容疑者、証言者、凶器その他の物質的証拠もその不十分な捜索によって見つけられることはなかった。後に、DSIの捜索チームは事件を復活させるために身内や事件の関係者を再尋問のために呼び出した。

上記3つのケースに共通していえることは、すべてのケースにおいて犠牲者となった人々はいずれも卓越した人々であり、多くの人々のために正義のために戦い、その高邁な善行は政府の利益をむさぼる祭服をまとった役人や政治家などの権力者たちによって邪魔をされた人々であることです。

DSI-特別捜査局―の失敗は組織的犯罪やテロ行為など国家の司法システムに対する国民の信用を失わせるものです。それはまた社会における不安や暴力を引き起こし、政府自身にとってその責任を問われることを免れないものです。

したがって、われわれはタイの司法省を通し、タイ政府に対して、以下の要求を述べるものであります。

1. ソンバット アモーンビバット氏をその不適格かつ不当な司法手続きを容認する態度から、特別捜査局局長の任務から速やかに除籍すること。

2. 透明性のある選出方法にてより広範な適任能力を判定し、新たな特別捜査局局長を選任すること。

特別捜査局の捜査力の向上の為、当局はいかなる影響や制圧も受けないものであるべきであると信じます。それがさらには、特別捜査局をタイにおける法の正義の向上を図るものに導くものでしょう。

司法大臣の多大なるご考慮ならびに行動を期待いたします。

署名を行うために以下のリンクへどうぞ

http://thailand.ahrchk.net/dsi_petition/signature.php

AHRC home | thailand.ahrchk.net | Somchai Neelaphaijit site